西洋文明はギリシャ・ヘレニズムの昔から自己の確立を基調にしています。西洋の心理学は精神疾患の患者の自己回復などの視点から精神分析を行うことから出発しています。仏教は無我を基調としています。無我とは自己を捨てることではありません。今の自分がどのような状態かをジッと見つめ、自分勝手に描いてきた自己像が本来の自分と合っているのかを悟る瞑想の実践修行に基づいて、こころの平安を目指すのが仏教の基本姿勢です。これを西洋の心理学に対して仏教心理学と呼びます。